賭けに出たポチェッティーノ采配と不運なマンチェスターシティ
こんにちわ!
今回はCL準々決勝 マンチェスターシティ vs トッテナム 2nd leg
について書いてみました。
なぜ、
トッテナムは現在リーグ首位のマンチェスターシティに食らいつくことができたのか。
マンチェスターシティは勝ちきれなかったのか。
様々な疑問点があると思いますので、要点を3つにまとめてみました。
今回はこの3つのポイントについては解説します。
まずはスタメンと基本システム
マンチェスターシティは4-3-3、トッテナムは4-2-3-1でした。
1st legからの主な変更点は、
シティは中盤を逆三角形の形にし、中盤二枚がより攻撃参加できる配置に変えていて、
トッテナムは負傷離脱のウィンクスに変えて、守備的なワニアマを起用。
また、試合の途中からシステムを4-4-2に変えていて、その詳しい理由は後で説明します。
リスクを伴うシステムを採用したトッテナムの狙い
トッテナムは4-3-1-2のシステムを採用。なぜこのシステムがリスクを伴っているのかというと、シティの攻撃の特徴から説明がつく。
シティはウィングの選手(この試合では右ベルナウド・シルバ、左スターリング)がワイドにポジションを取り、相手CBとSBの間にスペースを空けて、そこにインサイドMF(この試合では右デブルイネ、左ダビド・シルバ)が走り込んで折り返しのクロスを上げる形を得意としており、意図的に狙っています。
その点、トッテナムの守備では一見中央に人数をかけてスペースを埋めているようにも思える。しかし、シティのインサイドMFがサイドに流れた時に、マークにつかざるを得ない状況になると、中央MFの両脇にスペースができてしまい、そこを使われてしまいます。すると、トッテナムSBはそのスペースに入ってくる相手MFをマークするので、逆サイドのウィングの選手がフリーになってしまいます。
実際に初めの2失点はこの欠点をシティに利用されています。
1失点目はそのパターンで、サイドにデブルイネが流れ、アグエロとのワンツーで中央に侵入。
下の図の黄色い部分が中央MFの両脇のスペースであり、このスペースにデブルイネが侵入していきます。
↓
トッテナム右SBのトリッピアーはシティインサイド MFであるダビド・シルバにマークしているので、ウィングのスターリングがフリーでいるのでそこにパスが出て得点に至っています。
ダビド・シルバをマークしなければならないトリッピアーは完全にスターリングを視野に入れられず、守備で後手を踏む状況になってしまいました。
2失点目も同様に、左SBのローズがデブルイネにマークしているため、ウィングのベルナウド・シルバがフリーになっています。このようにトッテナムの4-3-1-2というシステムには欠点があります。
そしたらなぜこのようなシステムを採用しているのか。
それはカウンター要員として3人の選手を前線に残しておきたかったからである。
前線のルーカス・モウラ、ソン・フンミン、エリクセンの3人の技術があればカウンターからのチャンスメイクは容易でしょう。なので、前線に残しておきたかった。
トッテナムは1st legでの結果は意識しておらず、守りに入らずに常にアウェーゴールを狙っていました。結果は相手のミスから2得点とコーナーキックからの1得点でしたが、アウェーゴール差によりセミファイナル進出を決めています。
また、前半途中からシステムを4-2-2のフラットにして、サイドに枚数をかけることによってその後同じような形をシティにさせなかった。最初の2得点に関しては狙っていた形ではなかったが、しっかりと攻める姿勢を貫いた結果なので監督の采配による勝利とも言えるでしょう。
マンC選手を不調に陥れた激しい乱打戦
プレミアリーグのみならず、今では世界最大火力の攻撃陣を誇るマンチェスターシティ。この試合では4得点を挙げるなど、その攻撃は健在に見えたがセミファイナル進出にはあと1点が遠かった。
後半アディショナルタイムにはゴールネットを揺らすものの、VARによりゴール取り消し。そこで挙げられる原因はダビド・シルバの不調と考えられる。今のシティの攻撃で重要なポジションとなっているインサイドMF。
その一角を担っていた彼の不調はシティにとって大きな痛手だったに違いない。この試合ではいつものようにパスサッカーの中心に入ることはほとんど少なく、普段はやらないような縦パスを出し、結果として繋がらずミスになってしまうことが見られた。ボールタッチ数、フリーランニングの質などをリーグ戦などと比べると明らかに不調な点が見て取れる。
そのほかにもCBのラポルテ、左SBのメンディは早いテンポで変化する試合の流れについていけずに不用意なミスがよく見られた。ダビド・シルバもそうだろう。ここ最近のシティの試合では開始早々に失点をすることはほとんどなく、ましてやチーム目標の1つであるCL制覇にとって大事な試合で開始早々2失点。
しかも、相手に有利なアウェーゴールを2つも献上してしまったことは、メンタル的にダメージがあっただろう。そのため動きが固くなり、ミスが目立ったのかもしれない。
劣勢になったマンCが追加点を取れなかった原因
シティはトッテナムの倍近くシュートを放ったが、追加点を挙げることなく試合には勝ったが、セミファイナルに進出することはできなかった。シティは63分にダビド・シルバに代えてフェルナンジーニョを投入。
アグエロのゴールにより優勢の状況になったので守備範囲の広いフェルナンジーニョ投入は的確だっただろう。しかし、その約10分後にトッテナムにゴールを許してしまった。これは誤算に違いない。
合計スコア4-4でアウェーゴールによりトッテナム優位な状況に変わったのだった。トッテナムはゴール前に人数を固めて常に5-4-1のような陣形を取っていた。シティが攻めあぐねている中、84分メンディに代えてサネを投入。
攻撃に人数をかけるもしっかりとブロックを作ったトッテナムの守備を崩すことができなかった。サネ投入より左サイドから攻めることが増えたシティだったが、ダビド・シルバがいなくなったことにより、中盤から相手の裏へ抜ける選手がいないので単調な攻撃なってしまいなかなかチャンスメイクができずにいた。
また、ギュンドアンが抜け出しを試みるもダビド・シルバほどタイミングよく抜け出せないので余り噛み合っていなかったように思える。ここでウィングのベルナウド・シルバをインサイドMFの位置にして、ギュンドアンがやっていたようにすればもう少しチャンスが多くなったのではないかと思える。
なぜなら、ギュンドアンよりベルナウド・シルバの方が裏への抜け出しがうまく、左利きなので左サイドからの折り返しの速く正確なクロスを上げられるので、ギュンドアンより可能性があったと考えられる。
また、ジェズスをなぜ使わなかったのかといった意見をよく目にするが、正直使いたかったが使えなかったが正しいでしょう。あの状況下でジェズスのようなスペースを見つけてうまく抜け出せる選手は使いたいが、攻撃に人数をかけるので当然守備は手薄になる。
したがって前線で相手の攻撃の目を積む必要があるので、中盤にはギュンドアンとフェルナンジーニョを残したかったでしょう。実際に幻のゴールとなったシームの前でギュンドアンのパスカットが起点となっているので、そこを外すのは大きな賭けでしょう。結果論になってしまいますが、ジェズスが出ても面白かったかもしれません。
最後に、
今回の試合ではどちらのチームがセミファイナルに進んでもおかしくなかったと思うし、運の部分も大きかったとも思う。
どんなに世界的スターの選手たちでも大事な一戦になると、いつもと同じようにできなくなってしまうし、それでも勝ち切ることができる選手、監督、チームスタッフやサポーターのいるチームが勝ち進めて、世界一のクラブになれるのかと改めて感じた試合でした。
この後の準決勝、決勝と今回の試合のように、画面越しから緊張感や焦りなどが伝わってくる面白い試合を期待しています。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
koba